職場に
いつも いつも
おかしなことを言うおじさんがいて
それもしょーもないこと
言って笑ってるの
そのおじさんの仕事を手伝うことになって
席も隣で
そのおじさんのアホ話しにもつきあって
アハハ アハハ
二人で笑って仕事していた
ある日
しみじみと
おじさんが語りはじめた
数年前に23歳になる一人息子が
突然目の前で苦しみだして
亡くなられたことを
「悲しくて泣いてばかりいたけれど
泣いて暮らしても一日
笑って暮らしても一日
やもんなぁ
こんなアホなことでも言うて
わし、笑うてんねや」
って目に涙いっぱいためて
話してくれて
あれからかれこれ
20年の月日が流れて
あの職場1フロアに
200人近くいたと思うけど
年賀状のやり取りしているのは
このおじさんだけ
隣で一緒に笑ってただけやのに
いつまでも忘れないで
いてくださるものなのですね
私の所在がわからなくなったら
TV番組に応募して
『あの人は今どこに?』みたいな番組で
捜索してもらうんやアハハハって
言っててね。
「それも、かなんなぁ」
って笑いましたっけ
お元気でしょうか
懐かしく思い出しました。